ReBlogサイエンス,生活

渋滞の論文が出ました(または相転移現象としての交通渋滞)
(kikulog)

誤解されないように繰り返しておくと、この実験は「確認」であって、背景には数理モデルがあります。
かつては渋滞は「ボトルネック」が引き起こすものと考えられていましたが、90年代にいくつかの数理モデル(微分方程式、セルオートマトン、結合写像など)が提案され、そのどれもが渋滞は「相転移」であるという結論を出しました。もっともよく知られているのが杉山さんたちのOVモデルです。OVモデルは数理的な解析がしやすく、設定によっては厳密解も得られています。一方、僕たちはセルオートマトンや結合写像のモデルを扱っていました(ちなみに、モデル間の関係は西成さんによってある程度解明されています)。
ちょうど水が0度を境に氷になるように、自由走行と渋滞の間で転移が起きますが、それを決めるのは温度ではなく、密度です。「臨界密度」以上の密度になると、自由走行状態は「不安定」となり、かすかな速度ゆらぎでも渋滞へと転移します。現象としては、低密度では速度ゆらぎが後ろに伝わるにつれて減衰するのに対し、高密度ではゆらぎがうしろに伝わるにつれて拡大します。渋滞を決める本質的に重要なパラメータは密度であるということです。
このような「相転移描像」が90年代以降に発展した「物理的解釈」です。したがって、数理モデルや数値シミュレーションなどでは、さまざまなことがすでにわかっていたのですが、それを実際にやってみたというのが、今回の実験。僕たちはみんな理論やシミュレーションをやってきたのですが、数理モデルに基づく「物理的解釈」がなかなか世間(^^)に受け入れてもらえないので、本物でやってみせたという「デモ」だと思ってもらってもいいです。

根本的に車の量を減らさない限り渋滞は無くならない訳ね・・・。

ReBlogサイエンス,動物

ネコを飼うと心臓発作を起こす確率が減少する、米国研究機関
(Technobahn)

研究グループでは心臓疾患の場合、長期間に渡る精神的ストレスが血管に悪影響を及ぼし、それが原因の一つとなって心臓発作などに至ることが知られている、とした上で、ネコなどもペットを飼うことによって精神的ストレスが解消されるなどの良い影響を人に与えてきたことが、今回の結果につながったのではないか、と述べている。

 その上で、ネコなどのペットを飼うことは安上がりの心臓病予防につながると結論付けている。

 ただし、犬を飼っている人は飼っていない人に対して明確な心臓疾患発症率の減少の結果は見られなかったとも述べており、他のペット動物の効果に関しては今のところ不明だ。

最近、撫でさせてもらえるネコになかなか出会わないため、ネコ分が不足しております。

ReBlogサイエンス,宇宙

ブーメラン、宇宙空間でどう戻る?土井飛行士が“実験”へ
(YOMIURI ONLINE(読売新聞))

 ブーメランは無重力空間でもちゃんと戻ってくるのか――。11日打ち上げ予定の米スペースシャトル「エンデバー」で宇宙に向かう宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)が、国際宇宙ステーションでブーメランを投げる実験を行う。

興味深くもあり、おもしろそうな実験だ。

ReBlogサイエンス,宇宙

太陽系に第9惑星? 理論予測 海王星の外側に氷の天体
(MSN産経ニュース)

太陽系の8つの惑星のはるか外側に、「未知の惑星」が存在する可能性が高いとする理論予測を、神戸大学大学院理学研究科のパトリック・リカフィカ特別研究員と向井正教授が27日、発表した。理論とコンピューターシミュレーションから導かれた科学的な“予言”で、「10年以内に発見される可能性がある」という。米天文学専門誌「アストロノミカル・ジャーナル」(4月号)に論文が掲載される予定。

リカフィカ研究員(ブラジル)らは、海王星の外側でこれまでに発見された1100個を超す天体の軌道のゆがみや傾きに着目。「惑星クラスの天体が外側に存在し、太陽系外縁天体の軌道に影響を及ぼした」との仮説を立て、40億年にわたる軌道進化をシミュレーションにより検証した結果、現在観測されている太陽系外縁天体の特徴が、精度よく自然に説明できたという。

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そういう天体が観測された・・という訳ではなく、現在の変則的な軌道の小天体の軌道の説明には外的要因の天体があることが必要不可欠なので、その様な天体があるはずだ。
・・・という話。

ReBlogサイエンス

山道はなぜ蛇行しているのか? 英研究者が数理モデルで理論解明
(Technobahn)

A地点とB地点を結ぶ最短コースは常に直線となるはずなのに、どうして山道の場合は蛇行を繰り返しているのか?これまで当然のように思えたこの問題に英米の研究者が数理モデルを使って解明を行い、その成果を学術専門誌「Journal of Theoretical Biology」に発表した。

高低差のあるところを一直線で登るよりは、蛇行しつつ少しずつ上っていった方が楽なのは経験から分かるのだが、それをちゃんとした数理モデルで理論解明したという話。