がん遺伝子使わず、万能細胞を作製…京都大学研究グループ
(YOMIURI ONLINE(読売新聞))
人間の皮膚細胞から、さまざまな臓器・組織の細胞になる能力を秘めた「万能細胞」を作った京都大学の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究グループが、課題とされたがん遺伝子を使わずに万能細胞を作製したと発表した。
人間とマウスで成功したという。この万能細胞が、がん化しにくいことも確認。臨床応用に向け、さらに一歩踏み出した。11月30日付の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に掲載される。
20日発表の論文によると、山中教授らは、ウイルスを運び役にして4個の遺伝子を大人の皮膚細胞に組み込み、万能細胞である「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作った。しかし、遺伝子の一つはがん遺伝子で、ウイルスも発がん性と関連しているなど、がん化の問題が課題だった。
そこで、マウスの皮膚細胞にがん遺伝子(c―Myc)を除いた3個の遺伝子を組み込み、細胞選別の時期を遅らせるなど培養方法を工夫したところ、ごく少量だがiPS細胞ができることを確かめた。人間の皮膚細胞でも3個の遺伝子でiPS細胞ができた。
いやはや万能細胞関連はすごい速度で進んでますなぁ。